医療人百科

INTERVIEW

一期一会

山田貴博

天下茶屋あみ皮フ科クリニック 院長 山田貴博

略歴

名古屋市立大学医学部卒業。NTT西日本大阪病院(現・第二大阪警察病院)での初期臨床研修を経て大阪大学大学院医学系研究科神経細胞学教室にて研究職に従事。その後、阪南中央病院皮膚科勤務を経て2017年に天下茶屋あみ皮フ科クリニック開院。

現在の仕事についた経緯は?

学生時代から研究職志望で、卒業後は念願の研修職に就くことができましたが、産まれた子どもの乳児湿疹にどう向き合えばいいのかを思案しているうちに皮膚科に興味を持つようになりました。縁あって転職した病院が様々な分野で全人的医療を実践していることに感化され、皮膚科医として日々の診療で研鑽を積む傍ら、病院が企画する地域活動や県をまたいだフィールドワークに参加するうちに、自分色のより良い医療を実践してみたいと思うようになり、見切り発車ではありましたが開業する運びとなりました。

仕事へのこだわり

私自分が患者であればどうしてほしいか、を診療で実現することが根底にあります。町の皮膚科クリニックなので、気軽に皮膚の悩みを相談できる身近な存在として地域医療に貢献することはもちろんですが、一人ひとりの生活がより健やかになるように、皮膚のこと以外でも医学的なことで質問があればできる限り相談に乗るようにしています。また、慢性疾患を抱えている方に親身に寄り添うことをモットーとしており、治せずともうまく病気と付き合いながら生活するために、クリニックがバディーとなることを目指しています。そのため、一般的に一人あたりの診療時間が短くなりがちな皮膚科の診察ですが、極力話を伺い意向を汲んで、治療プランを立てるようにしています。良くなったら一緒に喜び、悪くなったら一緒に向き合うためには、医療者と患者が人と人として付き合うことが肝心です。礼節をもって向き合うことを意識しています。また、専門外来やオンライン診療を活用するなど、受診しやすい環境作りにも力を入れています。

そう思えるようになったきっかけ

学生の頃は、医師はどんな病気も完治させるために尽力するものと思っていましたが、初期臨床研修の最初の配属先が膠原病内科だったことで、難病の慢性疾患とリスクを管理しながら向き合い続ける指導医と出会った衝撃は大きく、理想の医師像が180度変わりました。そして開業前の勤務先で、部長とともに薬を極力使わず治療をしていきたいと考える数多くの患者さんたちと向き合っているうちに、今のスタイルが固まりました。開業後に私自身がギランバレー症候群や顔面神経麻痺を発症していくつもの病院を患者として受診するうちに、こうあってほしいと思う診療のあり方が、よりはっきりとしてきたように思います。

今後の目標

2年前に導入したオンライン診療によって診療の幅が広がったことを実感しています。固定観念にとらわれず、より良い医療のあり方を探求して、こんな形もあるのでは、と社会に情報を発信していきたいです。初期臨床研修を行った病院は昨年経営譲渡し、開業前の病院も昨今の情勢から経営危機に瀕しているようです。全人的医療と経営安定の両立についてもまずはクリニックレベルで模索し、将来的に病院規模へ拡充させて提唱していくのが自分に与えられたミッションだと思っています。

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