医療人百科

INTERVIEW

雨垂れ石を穿つ

住岡聡

すみおか歯科口腔外科 院長 住岡聡

略歴

2006年大阪大学歯学部卒業。
大阪大学歯学部附属病院第一口腔外科にて1年研修後、大阪大学大学院歯学研究科にて口腔がんについて研究し、歯学博士の学位を取得。
NTT西日本大阪病院(現第二大阪警察病院)にて3年間勤務し、口腔外科の手術や入院管理を行い、口腔外科専門医、がん治療認定医(歯科口腔外科)を取得。
2017年1月に兵庫県芦屋市にてすみおか歯科口腔外科を開院。

現在の仕事についた経緯は?

母が歯科衛生士、叔父や叔母が歯科医師で、身近な職業であったので、小さな頃から歯科医師になりたいと考えていました。大阪大学歯学部に進み、実習見学の際、親知らずの抜歯をしていた先生がすごくかっこよく見えたことが口腔外科に進んだきっかけです。大学卒業後は、大阪大学歯学部附属病院の第一口腔外科に約10年在籍し、困難な親知らずの抜歯や、口腔がん、顎変形症の治療を多数担当してきました。その後、西宮市や大阪市などで一般歯科の診療経験を幅広く積み、2017年に開業しました。

仕事へのこだわり

約10年大阪大学歯学部第一口腔外科の医局に在籍し、尊敬する先輩方から口腔外科について熱い指導を受けてきました。今までの知識、経験をお口の悩みを持っておられる患者さんのお役に立てるよう提供し、納得して治療を受けていただきたいと思っています。だからこそ、なぜこの治療をしなければいけないのか、患者さんにもきちんと理解していただき、治療後は「他に聞きたいことはありませんか」と必ず伺います。
子どもにもわかりやすく何をするのか、どうなっているのかなど説明していきます。説明と理解を重ね、信頼関係を築いていくことが、一番大切だと考えています。特に、口腔外科では、後に腫れやしびれが起きる可能性がある治療もあります。起きうる可能性がある症状は必ず伝え、治療の選択肢を用意しています。親知らずの抜歯などは初診当日にご希望があれば抜歯させていただいています。基本的には10分から15分程度と短い時間で行えますので、リスクも軽減できています。また、口内炎や舌などのできものや傷などのご相談も最近増えてきています。長引く口内炎など、「がんなのではないか」と悩まれる方も少なくありません。

口腔がんは、がん全体の1%以下という少ないものなのですが、しかし、私は開業して4年目ですが、すでに6人の口腔がんを発見しています。大学病院などで腫瘍も多く診療してきましたので適切な診断には自信があります。また、心臓など循環器系疾患がある方、服薬している方の治療にも対応しています。患者さんの治療に対する希望や病歴、飲んでいる薬、血液検査のデータ等についても確認します。さらに必要な場合は内科の担当医に病状の確認をしますし、院内にはモニターもあり、全身状態を管理しながら治療が可能です。

そう思えるようになったきっかけ

歯科も医科と同様に口腔外科、小児歯科、矯正歯科など細分化されてきており、今後はより専門的な分野の経験がある歯科医師が必要になってくると思います。私自身が口腔外科の専門であり、専門性の高い治療の重要性を身をもって知っているからなんです。一般歯科でも口腔外科領域の治療は可能ですし、得意とされている先生もいらっしゃいます。ただ、専門医だからわかること、できることがたくさんあるのも事実です。口腔外科の治療は他院からたくさん紹介いただいていますが、これも信頼していただいてるからこそだと思います。

今後の目標

大学病院などの歯科口腔外科の「一歩手前の歯科医院」として、子どもから高齢者まで家族で通院できる場所でありつづけたいと思っています。

口腔外科の専門医として、病院まで行かなくても、当院でできる治療範囲はとても広く、一般歯科では対応が難しい治療もカバーできるので、敷居の低い気軽に受診できる口腔外科を目指しています。ただ、口腔外科で何ができるのか、まだあまり知られていないのも現状です。口内炎や外傷も口腔外科の得意分野ですし、循環器疾患を中心に疾患がある方の治療も、全身状態を管理しながら抜歯なども可能です。
リスクがより高いと判断した場合は、十分管理ができる大学病院などに紹介するなど、引き続き幅広いお悩みに対応していきたいですね。歯科医師会の講演会などで話したりすることで、口腔外科をもっと身近に感じてもらえるよう頑張っていきたいです。また、外傷も多いスポーツ選手の治療にもさらに力を入れていきたいと思っています。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。